自転車の無灯火や電話やメールをしながらの運転、
 雨天時に傘を差した状態で運転するのは、どうして処罰の対象にはならないのだろうか。
 いや、実際はその対象となっているハズなのだが、
 わたしにはその印象が全く無いのである。
 誰しも自動車を運転する人であるならば、
 暗がりから音も無く突っ込んで来る自転車に
 「ハッ!」とした経験があるのではないだろうか。

  もしも事故が発生した場合は、
 自動車の運転手が人身事故の過失責任を問われ、処罰を受けることになる。
 暗がりで無灯火の自転車に追突された場合でも、
 転倒した運転手は手厚い保護を受け、
 自動車の運転手は罰金を課せられて違反点数を引かれる事になる。
 必ず弱者を勝利させる考えは、その場合によって是正して頂きたいと思うのである。

  自転車という乗り物は、道路交通法上では「軽車両」に区分されている。
 “自力を使って転がる車”とはいえ、りっぱな「車」となるのである。
 原動機が付いていないため、軽視されがちな乗り物だが、
 歩道を歩いていて後ろから鳴らされる警音器の使用は制限され、
 飲酒運転、一旦停止、二人乗り、走行外区分の走行等も全て「道路交通法違反」となる。

  2008年8月に30年ぶりに道路交通法が改正されたが、
 法規の文章だけを換えても意味がない。
 自殺行為とも言える片手運転等の行為の取締りをせず、
 野放しにしている組織制度は怠慢とも言えるのではないだろうか。
 現代社会において、この“エコカー“は、確かに貴重な乗り物であると言えるが
 駐輪も問題になっており、数十億円もかけて無料の駐輪場を造り、
 自転車を特別扱いするのである。

  歩行者専用道路でも自転車は平然と走り去って行くが、
 それを処罰の対象とはしないのである。
 自転車vs歩行者の事故が発生した場合は当然だが、
 どうして発生する前に「道路交通法違反」としての処罰を課せないのであろうか。
 弱者を助ける為の「道路交通法」という法律がある以上は、
 これをキチンと適応し、処罰を与える事も大切だと考える。

  わたしは、決して自分自身が自動車を運転する際に、
 自転車が邪魔な存在であるからと、このように言っている訳ではない。
 ただ同じ車である以上は、同じ取締りをして欲しいと願うのである。
 ある時は車道、ある時は歩道を走り抜け、
 制限速度を越えた速度で自動車を追い抜いていく。
 二人乗りで公道を走り、歩行者専用道路や横断歩道も乗車したままで通過する。
 まるで人間と車に変身可能な乗り物が自転車なのである。

  購入した際にライトが付いてない自転車は
 一部の専用自転車を除いて、ほとんど無いと言える。
 しかし、タイヤの回転による発電で電気を点灯するために、
 この方法を使うと廻すのが重たくなるからと言う理由で
 故意に点灯しない人々がいたり、
 乾電池式のライトの場合も電池を買うのがモッタイナイという人々もいるのである。

  これは車の運転者が、バッテリーを使うのはモッタイナイからと
 無灯火で走行するのと全く同じ事なのであるが、
 自道車は警告され、場合によっては処罰される。
 わたしには、この不合理な点が許せないことなのである。

  夜間の走行時には、ライトを点けて自分の位置を相手に理解させる対策を取り、
 自分以外の者に思いやりの光を浴びせることが出来るような自転車の運転が望ましい。
 一つしか無い身体や命を、どうして失おうとするのであろうか。
 手軽に乗れる自転車だからこそ、社会のルールに従った乗り物でなければならない。
 交通事故による被害者や犯罪者を出さない為にも、
 学校や会社や組織でそのルールを学び直し、
 社会全体の考え方を直す必要があるのではないだろうか。