日本でのファッション発信基地と言えば、東京都の渋谷区である。
 数年前、あの一斉を風靡したルーズソックスも、原宿からのスタートであった。
 原宿で流行したものは全国に広がり、
 例えそれが大人から観て可笑しな格好であっても、若者は同じような格好で街を闊歩する。
 今や日本だけでは無く、世界に向けたファッション文化の発信地となっている。

  今では定番ともなったパンツの上からスカートを履くスタイルや
 ジーンズにジャージの上着を合わせたり、
 ズボンをワザと下げてはいたりとアイデアは奇抜で、
 重ね着、網タイツ、帽子、バッグ、靴に至るまでがどんどんと流行する。
 原宿には、ブティックやファッションビルが立ち並び、
 街は週末になると十代から二十代の若者で埋め尽くされて、
 アクセサリーやキャラクターグッズが所狭しと並んでいるが、
 その流行のサイクルは以外と短いのである。

  芸能界、又は海外からのファッションやヘアースタイル、
 カラーリング、メイクアップ、アクセサリー等に小売業界は眼を光らせ、
 ティーンエージャーをターゲットにして、販売を開始する。
 それが眼に止まった若者が着用したり、真似をしたりして受け入れられると、
 原宿界隈を賑わし、ダボついたズボンや身体の随所に観られるピアスなども、
 それが一気に日本全国に広がるのである。

  例えば上から3つのボタンが無いブラウスやスリットが腰まで入ったスカート、
 胸元が大きく開いたTシャツ、透けたスカート等が原宿で流行したとしたらどうだろう。
 この不況の時代に3倍のボーナスを貰ったような喜びが毎日襲ってくるのである。
 それこそ真夏の雹、真冬の向日葵の天変地異にも似た、
 文句の言いようの無い時代が到来するわけである。

  わたしのような「おっさん」から言わせてもらうなら、
 ビキニで街を探索したり、マイクロミニのスカート、
 “見せる下着”がもっと流行してくれるなら、街に出るのも楽しみになるのだが、
 そうは問屋が卸してはくれないのが事実である。
 昨年から流行しているショートパンツもなかなかだが、
 そんな中にアメリカからきて数年前に流行した
 股上の浅いジーンズ『ローライズ・ジーンズ』がある。
 ただのジーンズと思うなかれ、これがなかなかイイのである。

  これを履いてしゃがむと“お尻の割れ目”、
 いや、正確に言うと割れ目の上のくぼんだ部分が丸見えで、
 それに小走りをすると腰に引っかかって無いためにドンドンと下がるのである。
 これを発見したわたしは、蛙を睨む蛇のように、
 その情景に眼を離す事が出来なくなってしまった。
 そのチラッと観える状態がとってもセクシーで、
 ノーカットよりも“ボカシ“の状態とよく似て、滅茶苦茶イイのである。

  これから夏が近付き、薄着の季節がやってくる。
 女性の方には、身体にフィットしたTシャツと
 ローライズ・ジーンズを足の付け根の部分からバッサリと切断し、
 是非ともローライズ・ショートパンツを穿いて頂きたい。

  しかし、猫もしゃくしもと言うのでは無い。
 コカ・コーラのレギュラーサイズの瓶を連想させるような
 キュッ・ボン・キュッって容姿が良くて、
 二十歳前後の若い女性にお願いしたいのである。
 ショートパンツから、魅惑的な足がシュッと伸び出して、
 後ろからも前からも横からも、文句のつけようがありません。えへっ

  この夏の最新流行のファッションとはどんなものであろうか。
 いや、男のファッションなんて何でもイイことで、女性のファッションである。
 Tバックの水着、みせパン、みせブラ、何でもござれ。
 わたしは笑みを浮かべつつも本能と理性を闘わせながら、
 謙虚に生活をおくるだけである。